インプラント
インプラントとは

インプラントは入れ歯やブリッジに代わる、歯を補うための治療法です。
この治療法は失ってしまった歯の部分に人工歯根を埋め込み、そこへ人工歯を装着することで歯を固定します。
噛むことがしっかりとできるようになるので、食事や会話が円滑に行えるようになることが特徴で、つけ心地も天然歯と大差ありません。
また、歯が抜けると、役目を失った顎の骨はだんだんと吸収されて減っていき、同時に歯肉もやせて口元の印象まで変わってしましますが、インプラント治療では、そうした骨や歯肉の吸収が防げます。
残った歯の健康を守ることができ、健康で若々しい表情が取り戻せるようになるのです。
インプラントのメリットデメリット
メリット
見た目や噛み心地に違和感がなく、硬いものもしっかり噛めます。1本または全ての歯が抜けていたとしても対応できます。
歯肉がやせず、他の歯の健康を維持できます。
デメリット
外科的処置が必要で、治療できる歯科医院が限られます。
治療期間が長く、治療費が高額になりがちです。
重度の疾患がある方は治療できない場合があります。
インプラントの治療の流れ
1コンサルテーション、プランニング

インプラントは年単位でじっくり進める治療です。そのため、まずは、患者様の現状、ライフステージ、どのような歯を求めているかを入念にコンサルテーション行います。
その上で患者様の求めるゴールを目指し、治療計画を立てます。

2手術前処置

むし歯のチェックや細菌検査や歯周精密検査を用いた歯周病のチェックを行います。顎の骨の量や厚み、形態をレントゲンやCTで精査していきます。インプラント手術に先立ち、歯周病、むし歯治療、必要であれば骨造成や噛み合わせの矯正も行います。

3一次手術

インプラントを顎の骨に埋め込む手術です。手術は通常の歯科治療と同じ局所麻酔を使い、痛みはありません。骨と結合するまで約2~6ヶ月待ちます。

4二次手術

人工歯根の定着を確認いたしましたら上部を切開し、人工歯根と人工歯をつなぐ連結部分をとりつけます。仮歯を装着し、落ち着くまで約2~4ヶ月待ちます。歯肉が弱っていれば移植手術も行います。

5人工歯の作製・装着

人工歯の型をとり、残った歯の色や形に合わせて作製します。完成した人工歯をとりつけ、噛み合わせを調整します。

6定期的なメンテナンス

治療終了後は1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月後に歯科医院での定期的なメンテナンスを受けましょう。口内クリーニングをしたり、顎の骨の状態や噛み合わせの調整をおこなうことが、永くインプラントとつき合っていける秘訣です。
インプラントの安全性

顎の骨に埋め込む人工歯根は金属でできています。
金属を体に入れても大丈夫かと心配される患者様がいますが、インプラントの素材は骨の組織に強固に密着し、持続的に結合する「オッセオインテグレーション(骨結合)」という性質を持っているチタンという金属です。
チタンは人体に拒否反応を示さないため、歯科治療以外にも人工関節や心臓ペースメーカーなどの医療器具に幅広く使用されています。安全性の高い優れた素材で、金属アレルギーの人も安心して治療を受けられます。
メンテナンスについて

インプラントの累積生存率は、10年~15年経過した後も約90%と高い数字です。しかし、それはしっかり定期的なメンテナンスを行っている患者様に限り、術後メンテナンスを怠っている方は再治療が必要になってくる場合も考えられます。せっかく頑張って治療をしたのですから、定期的にメンテナンスを受けていつまでも健康的で美しいインプラントを保てるように努力しましょう。
インプラントQ&A
- Qインプラントの手術は痛みを伴いますか?
- Aインプラントの手術中は局部麻酔下で施術を行うため、痛みを感じることは極めて少ないです。術後は痛みを感じる場合がありますが、痛み止めの処方によって緩和されるケースがほとんどです。
- Qインプラントは誰でも受けることができますか?
- A成長期のお子様や顎の骨の状態が悪い方、重度の疾患をお持ちの方にはご遠慮いただく場合がございます。しかし、年齢に上限はありませんので、まずはインプラントに適している口内の状態なのか検査を受けていただくのが望ましいです。
- Q残っている歯を抜歯する必要はありますか?
- Aインプラントを埋入する際に残っている歯を抜歯する必要はありません。インプラントは残った天然歯に負担をかけずに、人工歯を装着することができる優れた治療法です。
- Q全ての歯を失ってしまった場合、元の歯の本数インプラントを入れるのですか?
- A全ての歯を失っている場合は、それよりも少ないインプラントの埋入で固定することも可能です。決して歯の本数の分インプラントを埋入するのではなく、口内や顎の状態をみてインプラントの本数を決定いたします。
- Qインプラントは取り外して磨く必要はありますか?
- Aインプラントは取り外すことなく、通常の歯を歯磨きする感覚でケアしていただけます。
ただし、インプラントはむし歯にはなりませんが、ケアを怠ると歯周病と同じ状態となり、インプラント周囲炎になってしまうことがあります。
歯科衛生士に、自分に合った道具と磨き方を指導してもらい、毎日確実にケアをすることが大切です。